「知紗・・・?」
向こうもチサを知っていたらしく、泣いたのか赤くなった顔をあげた。
チサは無言で抱きしめた。
それからだと思う。
チサたちが仲良くなったのは。
性格もどこか似ていて。
気が合って。
誰よりも本音を話せる友達だった。
ヤンキーってことは有名だから、多くの人がチサたちを敬遠した。
花菜がいるから構わないけど、どこか寂しかった。
そこに現れたのが紅羽。
地味で嫌だと思ったけど、中身は凄く良い子で。
仲良くなるのに、時間はかからなかった。
「花菜。チサは・・・恭真が好き」
ある時の放課後、ちゃんと伝えた。
友達だから、大切だから。
伝えておこうと思った。
喧嘩しても良い。
また仲良くなれる自信が、ある。


