でも、周りには恭真が好きな人が多くて。
叶わない夢を抱いていた。
でも、何故か恭真はチサたちと同じ修学旅行の班になった。
帰ってきて理由を聞いたら、紅羽と神崎が世界一の殺し屋コンビだと知っていて、どんな人なのか調べるため近づいたんだって。
理由はどうであれ、一緒の班になれて、チサは飛び上がるほど嬉しかったんだ。
でも、嬉しさと同時に、後ろめたさもあった。
チサの憧れで親友・花菜も恭真が好きなんだ。
花菜と出会ったのは中学生の頃。
チサは良いことをして有名なヤンキーグループ・マウスのリーダー。
近所の人が笑顔になれるよう、チサは朝早く起きてごみ拾いなどを頑張った。
喧嘩も勿論したけど、それは人のため。
ある時、普通にメンバーとお喋りしていたら。
隣の市に住むヤンキーグループが襲って来た。
メンバーを、近所の人を守るため、チサは喧嘩を買った。
これが間違い。
喧嘩では反則とされてきた鉄パイプなどの武器を持った相手に、武器を持たないチサたちが勝てるはずない。
結果は負け。
大怪我を負ったメンバーも多かったけど、チサは奇跡的に無傷。
ただ、大粒の涙を流し続けた。
メンバーが怪我したのは、マウスが負けたのはチサのせい。
チサが喧嘩なんて買わなければ。
家に閉じこもり、ひたすら泣いた。


