電車を乗り継ぎバーへ向かう。
昨日はほんのり明るかったのに、今日は暗い。
入り口の前に和泉さんが本を読みながら立っていた。
髪型は昨日と同じ様モワモワ。
服装は、ヨレヨレ。
・・・見た目に頓着しない人らしい。
「和泉さん」
「あ、知紗ちゃん。
じゃ、行こうか」
和泉さんは歩き出す。
ここから近いのかな?
「じゃ、乗って」
そうではなかった。
和泉さんが立ち止まったのは、黒い軽自動車。
運転席と助手席しかない、本当に小さな車。
「どこにあるんですか?」
助手席に乗り込み、聞いてみる。
「悪いけどそれは教えられないな。
住所を知っているのは、幹部以上だから」
さすが。
驚くこと多いなぁ。


