意外に素直なソイツ・・・恭真に、オレは笑い返す。



「良いよ。
改めまして、オレ久保田総司。
こう見えるけど、女性恐怖症」

「そうなんだ。
もしかしてその格好、誰かに見てほしいとか思っている?」

「え・・・?」

「そういう格好していれば、女子は大体女好きかと勘違いして近寄る。
それを総司はわかっているはずだ。
それなのにそんな格好をする・・・。
見てほしいとしか思えないな・・・」

「さすが恭真。
半分正解。

確かにオレわかっているよ。
この格好だったら女子が寄ってくる。
女が嫌いなら、地味な格好すれば良いと思っている。

でもオレはこの格好やめないよ。
オレは女性恐怖症を治すためにこの格好を続ける。

オレの女性に対する思いを変えてくれる女子と会えたら良いなって思っている」

「・・・さすがだ。
俺には到底真似できない。
さすが総司だな!」

「いや、恭真も凄いと思う。
オレがもし恭真の立場でも、表の人間と関わろうとは思わない」




オレがそう言ったときだ。




キーンコーンカーンコーン・・・




「あ、やべっ。
そろそろ初めてのホームルームとやらが始まるぞ!
俺入学式で出ていたのに教室にいないとか可笑しい!」

「あ、オレ職員室行かねぇと!
じゃ恭真、また教室でな!!」

「おう!!」







女子もいるだろうけど。



オレには友達が出来た。

不安も多いけど、なかなか楽しい高校生活、送れるだろうな。







そしてオレの予想通り。




女性恐怖症を少しでも和らげる、

そんな子に、出会えたんだ。