「お、美味しいです!」



甘さも控えめで、丁度良い。

ほんのり温かい。

・・・総司みたいで。


あぁ、カナやっぱり、総司が好きだ。

総司依存症って、知紗に言われたけど、否定できないや。

確かにそうかも。





「自己紹介まだでしたね。
俺は久保田総太(くぼた・そうた)。
総司の兄です」

「相島花菜です」

「君のこと、総司から聞いていました。
総司と電車もホテルの部屋も一緒だったそうですね」

「ええ・・・まあ」

「君のこと話す総司、本当に幸せそうでした。
いつかお礼を言いたいと思っていたんです。
ありがとうございます」




ペコンッと頭を下げる総太さん。

カナも慌てて頭を下げた。




「君には感謝しかありません」

「そんな・・・。
あたし、何もしていませんよ」



さすがにお兄さんの前で“カナ”と言うわけにはいかない。

慣れないけど、“あたし”を使う。