元殺し屋と、殺し屋~anotherstory~










「花菜チャンどうしたの?」

「・・・最低っ!」



カナはしゃがんでいた体を起こし、思い切り総司の頬を殴りつけた。


さすが元ヤンキーのカナ。

実力は落ちていない。



キャット最強ヤンキー・カナのパンチを受け止めた総司は、思い切りしりもちをつく。




「な、何するんだよ!」



これには先ほどまで優しい口調だった総司も怒りを露わにした。




「最低最悪!
アンタみたいな人、カナ初めて会った!!」

「いきなり何で怒っているんだよ!」

「怒るに決まっているでしょう!?
カナ、総司のこと好きだったのに!」

「・・・へ?」

「それなのに!
アンタはカナの気持ちを踏みにじった!!」

「はっ?
どういう意味だよ・・・」

「女嫌いなんて嘘!
女嫌いなら、さっきの女の子たち突き放していたし、カナになんて告白しないし、部屋でカナを引き寄せたりしない!」

「あ、あれはっ・・・」

「言い訳なんていらない!
どうせまた“オレは女嫌いだ”なんて見え透いた嘘つくんでしょ?
嘘つかれるのは、もうごめんよ!!」




「花菜チャン!」と止める声を聞かず、カナは走り出した。