初めて、
大好きだと思えたから。
大切だと思えたから。
それを嘘だと、
踏みにじられたくないの。
「・・・花菜チャン?」
聞こえた優しい声。
チャラい見た目のくせに、中身は凄く優しいんだ。
「え?花菜?」
「花菜ってもしかして、キャットの相島花菜!?」
「キャット?」
「アンタ知らないの?
キャットって言うのは、昔この辺を治めていたヤンキーグループだよ!
相島花菜は、キャットのリーダー!!
誰にも喧嘩負けたことないって言う、伝説のヤンキーだよ!」
「えっ!?」
「この先に空地あってね、そこはキャットのアジトなんだよ!
キャットはアタシたちが中学卒業した時になくなったって聞いたけど、まさかリーダーの相島花菜がいたとはっ・・・!」
「に、逃げよう!
喧嘩売られたら、アタシたちの負けだし!!」
すたこらさっさと逃げて行くチャラい子たち。
その情報、間違っているよ。
カナは素人相手に喧嘩を売るほど、悪い人じゃない。
勿論キャットメンバーも。


