「降ろしてください!歩けます!」

「暴れるな。大人しくしてろ」



月明かりの下あたしを運ぶボスは、綺麗だ。

元々アイドル顔負けの端正な顔立ちをしているんだから。



車の後ろにあたしを乗せたボスは、車を発進させた。




「ところで、何であたしを探していたんですか?」

「ん?伝えたいことあってね」

「伝えたいこと、ですか?」

「ん」



車を端っこに停めたボスは、振り向いた。

そして滅多に笑わないのに、ゆっくり微笑んだ。



「俺と付き合わない?」




・・・は?




「俺さ、一目見た時から清美に惚れてさ。
でも俺殺し屋組織のボスだし・・・。
嫌だって断られそうだなぁって思って言えなかった」

「ボス・・・」

「でも別の組織のボスが、一般人の子と付き合っているって聞いて、一般人と付き合えるなら殺し屋とも付き合えるかなって思って、言ってみた」

「その組織、もしかしてブラックキャットですか?」

「お、よく知っているな」



あの小松恭真くんだ・・・。

彼本当にボスなんだ・・・・。