しかし、澪鵺はその日、教室で倒れた。

恭真と総司が急いで澪鵺を保健室まで運ぶ。



澪鵺・・・?



私が心配の渦の中にいると、担任が入ってきて、澪鵺の鞄を持った。



「先生!れ、神崎は?」



危ない危ない。

澪鵺っていつもの癖で言いそうになっちゃった。



「神崎38度5分の熱出したから、早退させることにした」



担任はそのまま澪鵺の鞄を持ち、教室を出て行った。





・・・私のせいだ。

私が澪鵺に風邪引かせたんだ。

お詫びにマフラー作ったら、渡しそびれちゃったし。




どうしよう・・・。

澪鵺、このまま死んじゃったりしないよね?



澪鵺のことばかり考えていたので、授業中は上の空で先生に怒られたし。

でもそんなお説教より、私は澪鵺の方が大事。




私は授業が終わると、澪鵺のために作ったマフラーがはいった紙袋を掴み、氷さんのバーへと向かったのだ。

だって私、澪鵺の住所、知らないもの・・・。