あの日傘を私に渡してくれたから・・・。

澪鵺は風邪を引いたんだ・・・。

私のせいだっ・・・!



「それ、彼氏へのプレゼントー?」

「うん、まあね。
もうすぐクリスマスだから・・・。
クリスマスに間に合うよう、練習で編んでいるの」



ふと聞こえた会話。

彼氏とラブラブなクラスメイトの子が、必死に手編みで何かを編んでいる。





・・・マフラー、編んでみようかな?

澪鵺の風邪が悪化する前に・・・!



私は急いで陽詩さんに連絡した。

陽詩さんは手編みのマフラー経験者なので、作り方を教えてほしいと頼むと、すぐに了承してくれた。



陽詩さんはあの日氷さんのバーへ案内した日から、かなり親しい。

陽詩さんはかなり積極的にバーへ足を運ぶので、私だけでなく澪鵺、花菜も知紗も恭真も総司も親しい。

「妹や弟が出来たみたい」と陽詩さんも喜んでいる。




お店で編み物の本を買い、学校で読んだり、放課後はすぐにバーへ向かい陽詩さんに教えてもらいながら。

ようやく基礎を覚え、本格的に編み始めた。

陽詩さんの熱心な教えもあり、なんとか出来上がった。



澄み渡る大空のような、青いマフラー。

出来上がった記念に、陽詩さんはお揃いの赤いマフラーも編んでくれた。



澪鵺、喜んでくれると良いなぁ・・・。