「ここで良いかな?」
「はい、ありがとうございます」
熱でふらふらするのを何とか奮い立たせ、俺は家まで運んできてくれた担任にお礼を言った。
あの後教室で倒れた俺は、保健室へ運ばれ、熱を測ったところ、何と38度5分。
たまたま授業のなかった担任の車によって、俺は自宅へ戻ってきた。
俺の家は、10階建てマンションの最上階。
エレベーターで行こうとして、扉の前の張り紙に驚愕した。
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只今点検中
ご迷惑をおかけします
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嘘だろ・・・。
行くときは張り紙なんてなかったのによ。
つまり、
10階まで階段で行け、と?
マジで最悪・・・。
思い切り溜息を吐いた俺は、階段でなんとか10階まで行く。
辿り着いた時、俺の体力は限界へと達していた。


