しかも本なんて滅多に読まないはずの紅羽が、何かを真剣に見ていた。

声をかけながら覗くと、「やだっ!」と拒否された。

何も言わず覗いても、元殺し屋なだけあって、すぐに気づかれる。



恭真も総司も相島も逢沢も知らねぇなんて・・・。

これはどう考えても可笑しい。




「・・・ヘックシュンッ」

「何だレイ、風邪か?」

「確かにカキ氷大量に食べた夏は過ぎ、もう秋だもんなァ。
風邪の季節到来だな」



しかし、風邪引くなんて。

熱はないものの、くしゃみが止まらない。

滅多に風邪の引かない、丈夫な身体だったのに。



「もしかしてレイ、紅羽チャンがいないから寂しくての風邪か?」

「お総司、それあり得るな!」



総司も恭真も言いたい放題言いやがって。



「あんなべったり夏でもくっついていたから、風邪は引かなかった。
しかし今は、秋になってきた上紅羽がいない。
風邪を引く要素は沢山あるってことだな」

「ナイス恭真の分析!その通りだよ!」

「うるせぇ!好き勝手言うな!」



クラッ・・・



やべ・・・。

叫びすぎて、目眩してきた・・・・。





「おいレイ!?」

「レイ!?」




恭真と総司の声を遠くで聞きながら、

俺は意識を失った。