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そんなこんなで、旅行は終わり。
見慣れた学校の前に、駅からここまで連れてきてくれたバスが停まる。
「じゃあねー花菜!」
「バイバイ花菜!」
「バイバイ!紅羽、知紗!」
2人と別れ、カナも帰路につこうとしたら。
「かーなーチャーン」
「総司?」
「一緒に、出掛けない?」
「は?」
「このまま帰るのも勿体ないなぁって思って。
花菜チャンこの後用事ある?」
「ないけど・・・」
最初の方に言ったと思うけど、カナには両親はいない。
カナより仕事。
このまま真っ直ぐ家に帰り、早めにお風呂入って寝ようと考えていた。
「じゃ、行こうぜ!
付き合ってもらうお礼に、花菜チャンの家の近くで良いよ。
家、どこ?」
場所を教えると、総司はやはり力強くカナの手を引き、駅へと向かった。


