元殺し屋と、殺し屋~anotherstory~










「すいませんが、俺は何も知りません。
家で寝ていたら、紅羽が突然来て。
氷さんと同じ立場だったんですよ俺も」

「何故紅羽はあんなに元気なんだ?」

「知りませんよ、俺に聞かないでください。
多分低血圧の俺と氷さんに比べて、血圧が高いんでしょうね。
羨ましい限りです」



「くぁ・・・」と欠伸をする澪鵺は、案外可愛い。

まるで森の中の妖精が欠伸をしているみたいだ。

大げさかもしれないけど、銀髪に紫色の瞳だから、ひどく人間離れしている。

そのせいで妖精みたいだと思うんだ。

紅羽も同じことを思うだろうな。




・・・あ、だいぶ眠気も飛んできた。

僕は一生勝てないだろうね。

睡魔という名の悪魔に。




「氷さん!来てください!澪鵺も!」



2人して欠伸をしながら、紅羽の元へ向かう。



「どうですか!?」



紅羽が紙袋から出したのは、白い無地のTシャツと青と白のチェックの半袖パーカー。

それに黒いパンツ。



「氷さんに似合うと思って買ったんです!
是非着てみてください!!」



わざわざ・・・。

よっぽど暇人なんだね、紅羽は。