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デート当日。
僕は朝が弱いので、ギリギリまで寝ていた。
見た目には頓着しないので。
昨日着た服や資料が散らばった部屋の片隅にあるベッドに、僕は寝ていた。
ベッドの上だけだと思う。
まともに座れる場所は。
『ピーンポーン。・・・ピンポンピンポンピンポンピ―――ンポ―――ン!』
・・・んだよ朝っぱらから。
僕はいつもぐしゃぐしゃな髪の毛をいじりながら、玄関へ向かう。
覗き穴から覗くと、紅羽と澪鵺の顔が見えた。
目ぇパッチリの紅羽に比べ、澪鵺は眠そうに欠伸をしている。
「うるせぇんだよ餓鬼ども!
近所迷惑だ馬鹿!
んなことも知らねぇのかこのカス!!」
「おはようございます氷さん!
お邪魔しますね!」
「オイ紅羽!不法侵入で訴えるぞ!!」
ズンズン奥へ入っていく紅羽に向かって叫ぶも、朝のため元気が出ない。
「オイ澪鵺。てめぇはどういうつもりだ?」
先ほどからずっと欠伸を繰り返している澪鵺をにらむ。


