元殺し屋と、殺し屋~anotherstory~










☆☆☆




デート当日。

僕は朝が弱いので、ギリギリまで寝ていた。

見た目には頓着しないので。



昨日着た服や資料が散らばった部屋の片隅にあるベッドに、僕は寝ていた。

ベッドの上だけだと思う。

まともに座れる場所は。



『ピーンポーン。・・・ピンポンピンポンピンポンピ―――ンポ―――ン!』



・・・んだよ朝っぱらから。

僕はいつもぐしゃぐしゃな髪の毛をいじりながら、玄関へ向かう。

覗き穴から覗くと、紅羽と澪鵺の顔が見えた。

目ぇパッチリの紅羽に比べ、澪鵺は眠そうに欠伸をしている。



「うるせぇんだよ餓鬼ども!
近所迷惑だ馬鹿!
んなことも知らねぇのかこのカス!!」

「おはようございます氷さん!
お邪魔しますね!」

「オイ紅羽!不法侵入で訴えるぞ!!」



ズンズン奥へ入っていく紅羽に向かって叫ぶも、朝のため元気が出ない。



「オイ澪鵺。てめぇはどういうつもりだ?」


先ほどからずっと欠伸を繰り返している澪鵺をにらむ。