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「馬鹿」



話し終えて、知紗に言われる。



って、馬鹿!?

なんか俺馬鹿にされた!?

確かに俺、知紗とか花菜とかレイとか総司とかよりは馬鹿だけど。

紅羽よりは絶対馬鹿じゃないぞ、俺!



「馬鹿だよ恭真。
それ、チサの気持ち何にも考えないでやっているじゃない」

「考えているから、俺は知紗を・・・」

「本当にチサのことを思うなら、チサの気持ち聞いてよ!」



薄っすら涙目になりながら、知紗は言う。



「チサは自殺しないよ。
確かに死体とかドラマでしか見たことないから、最初は抵抗あると思う。
でも慣れちゃえば大丈夫だよ!」

「知紗・・・」

「チサは恭真が好き!
恭真のお母さんみたいな最期は迎えない!
チサ、沢山長生きしてギネスブックに載るっていう夢、幼稚園時代から持ち続けているんだから!
それ叶えるまでは死なないよ!」



チサの見た目に似合わない案外可愛い夢に、俺は吹き出した。



「笑うなんてヒドーい!」

「ゴメンゴメン、可愛い夢だね知紗」




だから俺は、

知紗に惹かれたんだろうな。