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俺は生まれてすぐから、銃を持ち始めた。

誕生日プレゼントが銃だったのだ。



「キョウ、あの的に当ててごらん?」

「うんっ!わかったよお父様!」



ヒト型の的に本物の銃の弾を当てることに、俺は何の抵抗もなかった。

真ん中・・・丁度心臓の部分に弾が当たれば、父親は褒めてくれた。

普段あんまり喜怒哀楽を出さない父親の笑顔見たさに、俺は100発撃ったら100発心臓部分に当たるよう練習した。




「あなた、キョウをどうするつもりですか?」

「決まっているだろう。
わしの跡を継がせる、当たり前だろう」

「キョウの意見は無視するんですか?」

「グチグチうるさいぞ。
・・・殺されたいのか?」

「・・・いえ、失礼いたしました」




母親は、元々体が弱く、父親ともお見合いで結婚したらしい。

母親の母親―――つまり俺の祖母が死体屋をしていて、その縁で父親とのお見合いにこぎつけたらしい。

俺を生んだ後は度々体調を崩し、入退院を繰り返していた。




「キョウ、ごめんね。お母さん何も出来ないで」

「大丈夫だよお母様。
僕、お父様の跡継げるよう頑張るからね!」

「キョウ・・・」



俺が笑顔で言っても、母親は決して笑顔にはならなかった。