そっか・・・。

和泉さんはお金で左右される情報屋だっけ?

チサお金払っていないのに。


和泉さんは苦笑した。



「普段の僕でしたら確かに連れてきませんね。
ですが紅羽と澪鵺の頼みなら、断れませんね」



凄いな紅羽も神崎も。

色々驚くことが多いなぁ。



「ぼっちゃま」



和泉さんは穏やかに微笑む。



「素直になるべきですよ。
まぁ僕が言える台詞ではないですけどね。

ぼっちゃまが何を考えて知紗ちゃんと別れたのかは知りませんが。
いい加減、ご自分のお母様と同じ最期を迎えると考えなくてもよろしいのではありませんか?

確かにお父様はそう簡単にはお許しになられないと思いますが。
お父様は確かにぼっちゃまを大切に思っていますので、いつかはお許しになると思いますよ。

ぼっちゃまが素直になれば、知紗ちゃんのご友人も紅羽も澪鵺も、お喜びになられると思いますよ」



和泉さん、まるで恭真の執事さんみたい。



「ではボス、お渡ししておきますね」



和泉さんは来た時から持っていた封筒を恭真に渡し、「では」と踵を返して行ってしまった。




チサ、帰りはどうするんでしょうか・・・?