「殺し屋って・・・紅羽の?」
「そうだ。
玉置紅羽、コードネームダークは、ブラックキャットに所属していた。
ついでに言えば、神崎澪鵺コードネームロンリネスも、だ」
「神崎も殺し屋なの!?」
「そうだ。
あの2人は世界一の殺し屋コンビだ。
詳しく言えば、紅羽が殺し屋を辞めた後、レイが紅羽を継ぐ世界一になったんだけどな」
「そういえば前に久保田もって言っていなかったっけ?」
「総司は殺し屋じゃない。
ただし関わりがないわけではない。
俺は入学式の日、アイツの実の母親から殺しの依頼を受けていた。
ターゲットは総司だ。
俺が総司のクラスメイトでなければ、アイツは今頃あの世行きだろうな」
だから入学式で久保田総司の名前は呼ばれず、その後班決めの時突然現れたのか!
「じゃあ、班決めの時恭真が神崎と久保田と一緒にいた理由は、そのことが関係しているの?」
「そうだな。
レイとは前々から知り合いだったし、その日総司も俺とレイが殺し屋であることを知った。
俺らは“殺し屋”と言う共通の職業を通じ、同じ班になろうと決めたんだ。
何も知らない一般人とは仲良くなれないからな」
不自然な組み合わせだと思ったんだ。
入学式で一気に女の子たちの心を奪った王子様と、クラス1の地味男・神崎と、女好きでチャラ男の久保田が一緒にいることが。
何かしら共通な趣味を持たない限り、関わらないような凸凹組み合わせだった。
「俺は紅羽に興味を持ったんだ。
世界一の実力を持ちながら殺し屋を辞めた紅羽に。
だから俺は紅羽のいる女子班と一緒になることに決めたんだ」
始めは偶然だった。
しかしその偶然が奇跡を呼んだ。


