幼馴染みでいつも一緒にいたとはいえ、あんなに泣いたみゆを見たことがなかった。

だから、泣かせた分、俺はこいつを笑わせる、だから俺は泣いちゃいけないんだ、そうおもってた。

だけどいつのまにか、そんな覚悟は薄れていき、笑わせるどころか、悩ませていたんだ…


「ごめんな、みゆ。

もう、悩ませたりしねー。

俺のそばでずっと、笑っていてくれ。」


俺は今、中学生。

親の力がないと生きられないような、そんな無力の人間だけど…

「ついてきてくれよ、みゆ」


うんっと大きく頷くみゆの顔にはあの頃のように無邪気な笑顔が浮かんでいた。