お父さんは、真剣な顔をしてこういった。

「君は、みゆを長く生きさせることができるかね

君は、みゆをしあわせにすることができるかね」

と。

まだ俺は中学生。
はい、といいたかった。
だけどいま、そんなことはいえない。

考えて出した、俺の返事は

「わかりません」

俺の返事に、みゆのお父さんは眉を動かした。

みゆのお父さんは何かをいおうとしたが、俺はそれをさえぎり

「長生きさせれるかはわかりません。
だけど、幸せにすることは誓います。
この命をかけてでも、幸せにすると誓います。」

みゆのお父さんは少し笑みを浮かべて頷いた。その隣にいるみゆのお母さんはハンカチを口にあて、泣いて頷いた。

みゆをみると顔を真っ赤にし、目を真ん丸にして俺を見ていた。

「みゆさん、俺と…いや、僕と結婚してください」


その言葉をいったら、みゆは、急に「僕だって」と笑いだした。

どうやら、俺が『僕』といったことが面白かったらしい。


でも、俺の顔をみて笑うのをやめ、結婚より、普通は付き合ってくださいでしょ!といいながら

「こんな病気を持ってるわたしでいいなら…よろしくです…」