土方SIDE


『どうするか悩んでるなら俺は未来に行くことを勧める』


…違う。

いや、違くは無い。

でもこれだと多分誤解されてる。

俺の本当の想いは伝わってない。


彼奴は恐らく、自分を此処から追い出そうとしてる。とか思っているんだろう。

違うんだ、そうじゃない。

俺はただ…


裕「分かりました。ありがとうございました。」


そう言ってその場から立ち去ろうとする。


土「おい、待て。まだ話は終わってねぇぞ。」


まだ何か?

そう言わんばかりの顔で此方を見る一ノ瀬。

俺は構わず続けた。


土「お前は未来の人間だ。本来のお前の居るべき場所はここじゃない。
だが、お前はこの時代に来て新撰組の一員になったのも事実だ。」

裕「何が言いたいんですか?」

土「まぁその、つまりだ。
お前が未来に帰ろうと、 俺らの仲間だってのは変わらねえ。だから変な心配はすんな。」


自分で言っておきながら照れ臭くなり頭をかいた。

だが、言えて満足している気持ちもある。


昨日の夜、俺は此奴に仲間だって事を伝えようと決心した。

それがこんな形でとは思わなかったが伝えられて良かった。


裕「土方さん、ありがとうございます。
沖田さんに想い伝えようと思います。」

土「まあ好きにしろ。」

裕「はい、失礼します。」

─ピシャ

土「…彼奴等もまだまだ若ェもんだな。」


無意識に口から出た言葉だった。

呟いてから自分のジジくささに驚く。


まあ別にいいか。


俺はもう一度仕事に戻った。


土方SIDE END