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沖「土方さんと山崎さん、何話してたんでしょうね〜??」

裕「仕事の話じゃないですか?」

沖「ま、そりゃそーですよね。二人とも仕事人ですし。」


今はちょうどお昼過ぎ。

あれから朝餉を食べて少し経ってから巡察に行き、部屋で暇してるところだ。


沖「ところで裕紀ちゃんは…」

裕「はい??」

沖「…好きな人とかいないんですか?」

裕「…………はあぁぁ!?///」


突然静かになったと思えば、女子みたいな話題を出してきた。

私は無意識に沖田を疑うような顔で見てしまった。


沖「そんな顔しないでくださいよ〜。
女の子はこういう話が好きなんでしょう??
特に、裕紀ちゃんぐらいの年頃の子は。」


まぁ確かに私ぐらいの歳の子は恋バナとかしてたけど私は興味無いし、それにまず話す相手もいなかった。

女子の友達なんていなかったから。


裕「いや、私そんな話した事ありませんし。
それに好きな人なんて…」


チクッ


え……?


“好きな人なんていない”

そう言おうとしたら何故か胸がいたんだ。


こんな感覚は初めてで何がなんだかわからない。


沖「その反応…もしかして、いるんですか!?」

裕「…ぃです…」

沖「え??」

裕「わかんないです…」


私の言葉に沖田は困ったのか、口を紡いだ。


裕「今までそんな人いないと思ってたんですけど、さっき、沖田さんに“いない”って言おうとしたら胸が何かが刺さった感じがして痛いんです。」

沖「……」


私の言葉に沖田は呆然とした。

何か変な事を言っただろうか…??


私が不安になっていると、沖田はため息をひとつついて言った。


沖「裕紀ちゃん、それは“恋”です。」