裕「ぁの、そろそろ、い、ですか…??」


私は限界が近くなり頑張って声を振り絞った。


斉「あ、あぁ。」

新「悪かったな。」

裕「いえ…」


私は安心して無意識に微笑んでいた。

それを見た二人の顔が赤くなったように見えたけど、気のせいか…?


そんなことを考えながら私は立とうとしたが足にうまく力が入らず、後ろに倒れてしまった。


裕「あっ…」


フラッ

ガシッ


沖「っと、大丈夫ですか?」


そう言って沖田は私を支えてくれた。


まだ理性のある私は恥ずかしさのあまり元々赤い顔をさらに赤らめた。

が、それに気づくものはいなく一安心。


そんなことを考えてる間に、沖田に支えられながら外へ向かう。

幸い、外には誰もいなくこの姿を見られることもない。


私は沖田に礼を言い、縁の下にある桶を取った。

それをそのまま勢いよくかぶった。


─バシャッ


すると、びしょびしょになった頭から狐の耳はなくなり、酔もほとんど覚めた。

しかし、


裕「寒い…」


ブルッ


流石に12月に水をかぶるのは体が冷える。


裕「へっくしゅん!!」


くしゃみをした衝動で下を向き顔を上げると、目の前に何かがあった。


土「ほら、早く拭かねえと風邪ひくぞ。」

裕「あ、ありがとうございます。」


何かは土方の手ぬぐいだった。

私はそれを受け取り、使わせてもらった。


しかし、今日の土方は変だ。

いつもと態度が違う気がする。


だが、そんなことは考えても分からず、私はある程度体が拭けると部屋の中に戻った。