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私が話終わるとしばらく誰も口を開かない。
沈黙が続く。
一番先に口を開いたのは斉藤だ。
斉「一ノ瀬、お前確か妖狐だと言ったが、証拠が欲しい。」
その言葉に私よりも沖田の方が先に反応した。
沖「ちょっと、一くん!裕紀ちゃんのこと疑ってんの?
僕も近藤さんも土方さんもちゃんと見たんだから嘘じゃない。」
斉「総司、そうゆう問題じゃない。
俺は妖なんて非現実的なものだと思ってる。
だから、誰が実際に見ようと自分の目で見なきゃ納得できない。」
新「俺も斉藤と同じ意見だ。自分の目で確かめてみなきゃわかんねぇもんもある。」
沖「なっ、新八さんまで…」
そこで、沖田が詰まると今度は私が口を開いた。
裕「沖田さん、いいんです。ありがとうございます。
でも、私も最初っから話だけで信じてもらう気はありませんでしたから。」
そう言ってニコッと微笑む。
実は、お母さんに聞いたのだ。
私が意図的に妖狐になる方法を。
それは、
裕「今からこれを飲みます。」
そう言って出したのは、先ほど台所から持ってきたもの。
お酒
それを出すと全員が驚いた顔をした。
裕「母から聞いたことによると、私が妖狐になるときは怒りに満ちた時か、お酒を飲んだ時らしいんです。」
平「でも、ちょっとまって!裕紀飲んだらすぐ酔っちゃうじゃん!
ほかに聞きたいこともあるのに!!」
裕「大丈夫だよ。
部屋の外の縁の下に水を潜めてある。
もし、私が酔ったら私を外に出して水をかけて。
それに、妖狐の姿が解けるには長い時間放置しておくか、水をかけることって言われたから。」
平「うん、わかった…」
裕「じゃあ、いきます。」
全員が静かに頷く。
私は一息つくと、瓶からそのまま酒を口に移した。
ゴクッ
一口飲むと、瓶を置き、俯く。
体が熱くなり、今にでも理性が飛びそうになるがそれを耐える。
ドックン
血が波たつと同時に頭からピョコっと白い狐の耳が生えてきた。
「「「うぉっ!」」」
近藤、土方、沖田以外の全員が一気に驚いた。