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裕「ん、…」


目が覚めると見慣れた木目の天井が目に入った。


裕「あっ……」


私は大事なことを思い出し、声を出してしまった。

私はそっと頭を触る。

が、特に以上はなく、髪があるだけだった。

私はホッと胸をなでおろした。


外はまだ薄暗く、沖田も寝ている。

かと言ってまた寝ようとも思わないので、朝練でもしようかと、沖田を起こさず様静かに着替えた。

そして、まず、顔を洗うために井戸に向かった。


眠い目をこすりながら廊下を歩いていると反対側から人影が見えた。


土方さんだ。


私は昨日のこともあり、思わず下をむいた。


そのまま歩いていく。


何事もなく通れると思った瞬間、声をかけられた。


土「おィ、どこ行くんだ?」

裕「えと、井戸で顔を洗おうと…」


まだ怖くて顔が上げられない。


土「その後は?」

裕「…道場で朝練を…」

土「そうか。なら、一つ手合わせしてくれねぇか?」

裕「えっ!?」


突然過ぎて思わず声をあげてしまった。

それと同時に今まで伏せてた顔も上げてしまった。

条件反射と言う奴だ。


まさか、土方に誘われるとは思っていなかった。


土「最初、平助とやってた時から一度やりてぇと思ってたんだ。
付き合ってくれねぇか?」

裕「は、はい。」

土「悪ィな。先に行ってる。」


そう言って土方はスタスタと道場へ向かっていった。


私もいそいで井戸へ向かう。


頭の中ではわからないことだらけだった。

昨日土方は私に怒鳴ろうとしていた。

それが今日になって一変して、手合わせを頼んできた。

どうゆう風の吹き回しなのだろうか。


そんなことを考えながら行動しているといつの間にか顔を洗い終え、道場の前にいた。