母「いい、裕紀?

鬼たちはまだ未来にいる。
だからあなたは未来に居ればそのうち鬼に襲われて死ぬわ。
勿論、あなただけじゃなくて拓真君や志龍のみんなも。」

裕「な!?」


それだけは許せない。

志龍のみんなは私が守らなくてはいけない。


母「だからあなたをこの時代に連れてきたのよ。」


なんでわざわざこの時代に?

そんな疑問は次のお母さんの一言で消えた。


母「さっきも言ったけど、新選組と一緒に鬼を倒してほしい。
裕紀だけじゃ、負けるから。」

裕「そ、そんなのやだよ!! 私の所為でみんなを巻き込むのは嫌!!」

母「裕紀!!!」

裕「っ…」


お母さんはしっかりと私を見据えて言った。


母「裕紀、今殺さなければ未来は鬼たちに支配されるのよ。」

裕「…どうゆうこと…?」

母「落ち着いて聞いて。

もし、このまま奴らを倒さずに私達の一族が全滅してしまえばもう止められるものはない。
そうなれば暴れ放題。
かつて一つの村が支配されてたように…いや、それ以上に日本はひどい状態になるわ。」


私はだんだんと頭が追いつけなくなってきた。


状況が理解できないわけではない。


でも、私はこれからどうすれば正しいのかがわからないんだ。


鬼を倒しに行けば新選組の誰かが死ぬかもしれない。

しかし、そのままにしておけばもっと多くの犠牲が出る。


新選組には死んでほしくないが、他に犠牲者が出るのも嫌だ。



私はどうすれば正しい選択ができるのだろうか



母「…裕紀、三日間だけ。」

裕「え??」

母「三日間だけ時間あげるからその間に決めて。
三日後にまた来るから。」

裕「…わかった。」


そう言った途端、急に意識が遠のいていった。



その時、ふと、静かだが泣き声が聞こえた気がした。