そんなのはずるい。
好きな子にそんなふうに言われては否定ができる訳が無い。
でも、だからといってこのままだと僕は何をしでかすかわからない。
僕は周りを見渡した。
平隊士は酔って寝ている人ばっかだけど起きてる人はみんなこっちを見ている。
見てるなら助けて欲しい。
そんな僕の心の声も届くはずもなく誰一人その場から動こうとしない。
本当に薄情な人達だ。
そんなことを考えていると下から規則正しい寝息が聞こえてきた。
もしかして、と思って見れば予想は的中。
総「本当にこの子はなんなのさ。」
誰にも聞こえないくらい小さな声で言った。
人を抱きしめながら寝るとか普通ない。
いや、ないというよりできないのが正しいかもしれない。
そんな業をする彼女に僕は少し感心した。
土「総司、先にそいつ連れて屯所帰れ。
俺たちも後から行く。」
総「はーい。」
土方さんは隊士のいる方を向き指示を出した。
僕は裕紀ちゃんを横抱きにして店を出ようとした。

