裕「土方さんに聞きました。」

沖「何をですか?」

裕「刀のことです。」


そう言うと沖田の肩が少し跳ねた。


沖「そう…ですか…」

裕「はい。」


暫く沈黙が流れる。

それを破ったのは沖田だ。


沖「僕、本当は分かってたんですよ。」


沖田の言葉の意味がよくわからない私。

そんな私に説明するかのように言葉を並べていく。


沖「土方さんだって本当は裕紀ちゃんに刀を持たせたくないし、人を斬る悲しみを辛さを知ってほしくないって。」

裕「え、じゃあなんで…?」


思わず口を出してしまった。

沖田はそれに気にする様子もなく答えてくれる。


沖「それがあの人の役目だからです。」

裕「役目?」

沖「はい。」


全くもってわからない私に沖田は優しく笑うとまた口を開く。