女総長、いざ参らん!



土方より先に沖田がそう言った。

私はそれに答えた。


裕「ああ、それが私にも分からないんです。
喧嘩中に銃で撃たれて気絶しちゃって…気づいたらこの時代にいたんです。」


土「...そうか。」


そう言うと土方は黙ってしまった。


それからしばらく沈黙が続いた。


それを破ったのは意外にも平助だった。


平「裕紀は帰りたいとか思わないのか?」


突然の質問でびっくりした。

まさかそんなこと聞かれるとは思ってなかった。


裕「...帰りたいですよ。」


私が一言つぶやいたと同時に空気が重くなった。

そうなったのは恐らくここの人達に信用されてきているからだろう。

その事をちょっぴり嬉しいなんて思ったのは私だけの秘密だ。


裕「でも、帰り方がわからない今はそんなことを言っても無駄なので、それまではこの時代での“今”を精一杯生きていこうと思います。

その為故にみなさんに迷惑をかけてしまうかもしれませんが、出来る事はなんでもしますのでここに置いてください。

お願いします。」