出掛けるまでに、あと30分ほど。 何時もの習慣で煙草に火をつけテレビのニュースを観る。 テレビの横の棚にはナツの写真がある。 “ナツおはよう" そう呟いて目を閉じる。 写真のナツは当たり前だがいつも笑っている。 最近は、写真以外のナツの顔を忘れそうになる。 泣いたり怒ったり表情豊かな子だった。 そんな姿を思い出そうと、頑張っている自分がいる。 病院で最後に見せた笑った顔さえも…