後ろに目があるわけじゃないけど、うれしそうに笑ってる遼の顔が浮かんでくる。


あーもう、イライラする。



「はぁ? 何言ってんのよ。原田先生以上を探そうと思ってもなかなかいないって!
かなりレベル高いって!」



確信したようにうなずく柚奈。


「そんなことない! 絶対、いる」


そう、思わず立ち上がってしまって、柚奈がわたしのおでこに手を当てる。


冷え性の柚奈の手がひんやりして気持ちがいい。



「どうした? 熱でもある? 最近、美紅おかしいよ?」


「お、おかしくない」



ストンと椅子に体を下ろしたら深いため息が出た。