「美紅、おはよー」

「あ、おはよ」


柚奈が手を振りながら笑顔で駆け寄ってくる。



「やっぱさ、大人の男っていいよねー」


しみじみそう見つめてる先を見ると、いつの間にか遼がわたしの後ろに座っていた。


相変わらず女子に囲まれながら笑顔を返している。


黄色い声に優しく言葉を返す遼。



……何? あの笑顔。


女なら誰でもいいのかっての。



「本当、目の保養」


「……わたしはパス。もっといい男がいい」



柚奈との会話の途中でも時々聞こえる遼の声が甘ったるい。