「美紅? どうした?」 カタンと机の音がして遼がこっちへやってきた。 「あ……か、帰るね……」 遼に背を向けて長い廊下を思いっきり駆け抜けた。 落ち着け、美紅。 ドキドキが大きくなるのはきっと、廊下を思いっきり走ったせいだ。 考橋にあんなことを言われたから……多分、それが残ってるんだ。 校門で大きく深呼吸して、前に足を進める。 少しひんやりした風が体の熱を冷やしていく。