美紅らしくていい……その遼の低くて甘い声が体中に染み渡る。 その言葉は反則だ。 さっき、考橋にあんなこと言われたからこそ、余計にそう思う。 てか、あんたに……遼にわたしの何が分かるのよ。 わたしのこと、気に入らないんでしょ? そんな奴に何が……。 そう叫んでやりたくても声が出ない。 何かに支配されたみたいに動けなくて体が熱くなる。 ドクンドクンと大きくなる心臓の音がやけにうるさくて、 しいんとした教室に響いてしまいそう。