「何、百面相してんだよ!」 遼がいつもの顔でわたしを見る。 ほら、こういう奴なんだって。 すぐに人のこと、バカにした目で見る。 「してないわよ」 「そおか? って、百面相するほどの顔じゃねーか……」 「――……っ。一言多いっ!」 本当、ムカつく!! さっき、心地いいって感じた自分が情けない。 何でこんな奴に……。