小さい頃からずっと一緒にいた考橋。 お兄ちゃんも一緒に遊んだことだってたくさんある。 腐れ縁で、高校まで一緒だと思ったら、クラスも一緒で席も隣で……。 口は悪いけど、心はとってもあったかい奴。 わたしのことを一番理解してくれてると思ってたのに……。 溢れそうになる涙をグッとこらえて右手を握り締めた時だった。 「あれ? まだ、いたんだ?」 カタンとドアの軋む音が聞こえて顔を上げると、 後ろのドアに手を掛けてこっちを見ている遼がいた。