「羽鳥が恋できないのは智兄のせい?」 「え?」 恋? その言葉に思わず顔を上げると、考橋と目が合った。 「羽鳥……智兄のこと、本気で好き……とかじゃないよな?」 心配そうな顔でわたしを覗き込む。 「ほ、本気じゃ……ないよ」 「だよな……」 急にクシャっと考橋の顔が崩れて笑顔になった。