「羽鳥が智兄のことを好きなのは知ってる。でも、オレたちもう、高校生だろ? いつまでも智兄って言ってる場合じゃねーだろ?」 考橋にそう言われて、唇をかみ締める。 「智兄だって、羽鳥のことばっかりじゃねーだろ? 彼女だってできたんだしさ、もっと周りを見て、羽鳥もちゃんとしろよ!」 考橋の言葉が教室に響く。 わたしはうつむいて、目を閉じることしかできなかった。