「考橋っ……わたし……ごめん……」 わたしは頭を下げた。 カサっと音がして目線だけ上を向けると、考橋が差し出していた紙が見えた。 物音のない教室が緊張感を高める。 「智兄?」 「え?」 不意に顔を上げると、にらむような顔で考橋がわたしを見ていた。