ゆっくりと歩み寄るお兄ちゃん。 「……美紅に手出すなよ!」 「お前は先にさつきに手出しただろ!」 そう、睨むおにいちゃんと遼。 「ちょっ……」 ど、どうなっちゃってんの? 「言っとくけど、美紅はオレが好きなんだからな! 昔からお兄ちゃんって……」 「あのな……美紅の気持ちは今更兄貴にねーんだよ。それに最初に告ったのは美……」 「ちょ……遼!」 慌てて遼の口を塞ぐ。 そんな恥ずかしいこと、今更言わなくてもいいから。 「つーか、美紅、離れろ!」 お兄ちゃんに腕を掴まれて遼の体温が消える。