「美紅、先生に失礼言わないの!」 全く……なんてお母さんがため息をつく。 「先生?」 「あれ? 言ってなかったっけ? 今日から家庭教師をしてくださる、原田先生よ」 「か、家庭教師?」 「そうよ。美紅、原田先生ね、さつきちゃんのお兄さんなのよ!」 誇らしげにそういうお母さん。 ……十分知ってます。 さつきのお兄さん以上に……わたしの彼なんですけど……。 てか……。 「何でっ?」 「英語がな……赤点なんだよな」 すかさず遼が言う。