「初めて見る?」 「うん、初めて来たよ」 真っ直ぐ前を見つめてそう答える。 きっともう来ることなんてないだろうから……。 少しでもこの目に焼き付けておきたい。 いや……本当は遼との距離が近すぎてどうにもできないんだ。 小さなドキドキが大きくならないように真っ直ぐ前を見つめる。 今、遼を身近に感じてしまったら、自分が自分じゃなくなりそうだから……。