「あ……」 「あった?」 「あの店員さんのしてるやつ! あんな感じが好きかも!」 目の前で商品の整理をしている店員さんが腰からぶら下げているチェーン。 長さも太さも色もお兄ちゃんが好きそう。 「あの、すいません! これ、同じのってありますか?」 わたしより先にさつきが声をかける。 「はい、ありますよ」 笑顔でわたしとさつきを誘導してくれたのはいいんだけど、そのチェーンの値段を見てわたしは驚愕した。 い、一万二千円? や、いくらなんでも高いでしょ、これは……。 と思ったのはわたしだけ?