「智くんさ、こういうの好きでしょ? でもわたし、よく分かんなくて……どんなのがいいと思う?」
首をかしげて笑う。
いや……それはわたしに言われても……。
確かにお兄ちゃんはシルバーチェーンが好き。
お財布とチェーンとをベルトにつなげたりもしてる。
でも、わたしはチェーンなんて興味ないし、正直、よさも分からない。
だからそれをわたしに求めるのもどうかと思うけど……。
なんて思っていると、これがいいかなぁ、なんてうれしそうにさつきが目の前のチェーンを手に取る。
「ちょっ……それはない!」
わたしは思わずさつきの手からそれを取って戻す。

