「ちょっと待ちなさいよ!」 わたしは遼の前に駆け込んで胸ぐらを掴む。 って言っても、わたしの顔より上だけど……。 「何?」 わたしにそんなことをされても動じないのが更にムカつく。 「あの程度ってどういうことよ! あんたにお兄ちゃんの何が分かんのよ!」