初めて見る運転姿。 わたしと遼の間にあるギアに遼が手を伸ばすたびにドキッとする。 近くて遠い距離。 触れそうで触れられない距離。 ハンドルを握る手も前を見つめる横顔も初めて知る遼の姿。 きっとこれが最初で最後なんだろうけど……。 忘れようとしていた体の熱が徐々に蘇っていく。 はぁ……わたし、また、重症かも……。 そんなことを思ってるとさつきが身を乗り出してきた。