「あと15分待つから。着替えて降りてきて!」
さつきがポンと肩を叩いて部屋を出て行く。
全てを……見透かされてる気がする……。
仕方なくわたしは柚奈に電話をすると、遼の名前を聞いて頑張れって快く譲ってくれた。
こんな状況でさえも、まだ、柚奈に引き止めて欲しかった気持ちが大きくなる。
本当、弱虫なわたし。
だけど、そんなことも言ってられない。
下にはお兄ちゃんとさつきと……遼が待ってる。
そうだ。
お兄ちゃんとさつきもいるんだ。
心強い二人がいると思うと少しは気持ちが楽になる。
わたしは急いで用意すると下に降りて行った。

