この日、わたしは久しぶりに夢を見た。 幼いわたしは泣きながら道を歩く。 知らない道、知らない街、知らない人……不安に押しつぶされそうになりながら街をさまよう。 そんなわたしの目の前に現れたのは同じ年くらいの男の子。 泣いてるわたしの手を取って、大丈夫だよって優しく声をかけてくれた。 小さな手がわたしの不安を大きく包み込む。 その後のことは覚えていない。 ただ……大きな安堵感が夢から覚めてもわたしを包み込んでいた。