「お兄ちゃん、起きて! 朝だよ!」 「んー」 目を閉じたまま、大きく伸びをして寝返りするとわたしに背を向ける。 起きそうにない……。 朝が弱いお兄ちゃんはこんな優しい起こし方じゃ、やっぱり起きないよね……。 仕方ない。 「お兄ちゃん! 起きてよ! 朝だって!」 ガバッと布団をめくり上げて背中を叩くと、パシンと乾いたいい音が部屋に響く。 ちょっと強く叩きすぎたかなぁ……。